2012年4月23日月曜日

海が返したサッカーボール


東日本大震災の被災地から流出したサッカーボールが、米アラスカ州の島に漂着した。持ち主の高校生も見つかった。

津波は、無数のかけがえない命と思いを容赦なく飲み込み奪い去ったが、まるで恥じらい償うかのように、1年かけて5000キロ先まで運んで甦らせた。

たったひとつではあるが・・海は何を語りかけたいのだろうか?

「普天間」で、足下見られた「尖閣コール」の本気度


■傀儡国家に「領有権」を主張する権利はない。

かつての日本の傀儡・満州国が、中国との国境線領土の「領有権」を主張したとしても、だれも相手にしないだろう。もともと、自国すら「領有」していない、しようとしない政府が、なぜ他国に「領有権」を主張できるのかと言うわけだ。ある国の奴隷は、「虎の威をかる」ことはできても他国に主人顔はできないのである。国際社会の道義や正当性の欠片もないからだ。この笑い話のようなことが、現在の日本から「センカク・コール」として起こっているが、一方の当事者・中国からは「満州国の二番煎じか?」ととっくに足下を見透かされているのである。

■「尖閣領有権」を曖昧にするアメリカ

尖閣諸島は政府の「対中国弱腰」が問題という。そんな中国は、自国領土に基地を据え付けられた日本はご主人様=アメリカの承認無しには何一つ動けないことを知っている。アメリカが、日本を中国にけしかけるために、あえて尖閣諸島の領有権を曖昧にしていることもよく知っている。そのうえで、英雄船長などいろいろとちょっかいを出しては、日本の愚かさとアメリカの我慢どころを探っているに過ぎない。

■政府の「対米弱腰」こそ問題

一昨年、鳩山政府が「普天間国外移設」に失敗した直後に、日本の「対米弱腰」を見抜いた中国が尖閣に漁船を侵入させたことは象徴的である。「日本を守る」と言われてきたアメリカが一機の戦闘機も飛ばさなかったこと、いったん逮捕した「英雄船長」をクリントン国務長官の「釈放命令」で帰国させたことも、逆に中国を勇気づけた。ロシアとの北方領土、韓国との竹島問題しかり、もともと日本が自国領土である普天間基地ひとつ動かせない「対米弱腰」だから、周辺国に嘗められ前へ進めないだけなのだ。

日本が、周辺国に笑いものにされず、せめて真剣な話し合いまで行かせたいなら、つまり本気で「領有権」を主張したいのなら、まずアメリカに「基地を返せ」と言って、せめて「普天間国外移設」を実現させて「領有権本気度」をアピールするのが・・いっけん「風が吹けば桶屋が儲かる」話のようだが(笑)、案外一番の近道ではないだろうか?

嘘つき「日本共産党」は嫌いだ!


■「領土問題」はいつも戦争の火種

「領土問題」は、世界や日本の歴史を少しでも学んだ人にとっては、慎重の上にも慎重を重ねなければならないことは明らかである。古今東西の歴史の中には「領土問題」が軍事衝突から戦争に発展した事例は無数にある。「領土問題」を取り上げるなら「戦争を覚悟してから」と言っても言い過ぎではない。

■石原都知事は、都民そっちのけで「センカク」

最近、石原都知事らが「尖閣諸島を購入」などと騒ぎ回っている。以前も都民そっちのけの「オリンピック誘致」失敗で大恥をかいた知事は、東京都の「直下型大地震」対策が急がれている最中に、都民や都政そっちのけの「憂国ごっこ」でまぜかえそうとしている。「領有権」に目覚めたなら、南西の離島に手を出すより、自分達が70年近くも手を触れることさえできないでいるアメリカに占領された横田基地や首都圏上空の現実を解決する方が先ではないか?

こうした、中国と戦うポーズをアピールしてご主人様(アメリカ)に取り入ろうとする下心見え見えの連中はまだわかりやすく、くれぐれも悪意ある政治家のデマには乗らないよう注意してかかろう。ところがやっかいなのは、あたかも自分たちが最後の審判者であるがごとく「真理・正義・科学」を振りかざして、すまし顔で嘘をつき、実際には石原都知事の上をいく「戦争挑発」を仕掛けている連中である。

■「日本共産党」も、綱領そっちのけで「センカク」

それが、先の戦争で「獄中17年」とか「反戦」の化身であるかのように言われている「日本共産党」と言えば、たいていの方は驚かれるかも知れない。しかし、最近では訪米も果たしどの党よりも「オバマ追っかけ」に熱心な志位委員長が、「中国封じ込め」を叫ぶオバマ大統領の気分にまで染まり、「ぞっこんオバマ」になってきたことは間違いない。いわく「尖閣列島は日本固有の領土」「日本政府は堂々とその大義を主張すべき」とか、「尖閣諸島付近の日本の領海で、中国など外国漁船の違法な操業を海上保安庁が取り締まるのは、当然です。」と、自衛隊の出動も「当然」といわんばかりである。

彼ら(日本共産党)の綱領(2004/1/17)を見てみよう。ここでは「わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、国土や軍事などの重要な部分をアメリカに握られた事実上の従属国となっている。・・アメリカの対日支配は、明らかに、アメリカの世界戦略とアメリカ独占資本主義の利益のために、日本の主権と独立を踏みにじる帝国主義的な性格のものである。」ともっともらしい事を述べている。では聞くが、「主権と独立を踏みにじられた」「従属国」の「領土」とは、いったい誰のものなのか?一見日本は隅々まで日本の主権が及んでいるように見えるが、領土に限ったところで横須賀や岩国、沖縄にある多数の治外法権の基地があり、アメリカは「主権侵害」されないようにポイントとなる首都圏に、横田基地を置き、首都上空は「立ち入り禁止」としたうえで、横須賀には原子力空母を配置している。

■「オバマ追っかけ」の末路

「尖閣諸島」に限って言えば、そもそも「ご主人様」のアメリカが、日中間に火種を残しておくために「尖閣諸島」の帰属問題を曖昧にしてきたことに根本問題があり、そのブラブラにイライラが募っているからこそ、競って派手な「オバマ追っかけ」のパフォーマンスを演じているのは彼ら自身が一番よく知っているはずだ。ここでは、1937年、日本の傀儡だった旧満州国政府が、盧溝橋での「挑発」を口実に関東軍と肩を並べて「満州国軍」の名で中国に侵入していった皇帝・溥儀の恥ずべき歴史をもう一度思い起こそう。

日本共産党が、「日本の政府代表は、国連その他国際政治の舞台で、しばしばアメリカ政府の代弁者の役割を果たしている」と自ら語っている、その日本政府や石原都知事と声を合わせて「尖閣を守れ」を叫び、アメリカ政府の代弁どころか「戦争挑発」の先頭に立つというなら、「反戦闘士」という最後のイチジクの葉っぱまで消え去るであろう。