2012年7月21日土曜日

「お笑い米軍基地」

発信箱:「基地」を笑う=大治朋子(外信部)
毎日新聞 2012年07月17日 00時13分

 沖縄で大人気のコント「お笑い米軍基地」の公演を名護市内で見た。若手芸人たちが、基地問題を辛口の風刺で笑いに変える。

観客席が最も沸いたのは「尖閣諸島」ネタだった。玩具売り場で東京都知事と同じシンタロウという名前の男の子が「尖閣諸島」のおもちゃをママにせがむ。そこに中国人らしき男たちが現れ、「尖閣」を取ろうとする。警備員が、不審船を見つけた海上保安庁のように「君たち、出て行きなさーい」と叫ぶが、なかなか出て行かない。

そして上階に入店する「アメリカさん」の登場。迷彩服の男たちがハリセンで「シンタロウ」から「中国人」まで、全員をぶったたいてこう言う。「このデパートはぁ、アメリカーがいるからもってるんじゃないのかぁ」。米国産のビーフジャーキーを買えと全員に迫り、断るとまたたたく。店員がつぶやく。「早く出て行けばいいのによ」

 そう、「デパート」は沖縄で、「アメリカさん」は米軍基地だ。米軍がいるから沖縄は安全、という「定説」を皮肉っている。

笑いの底に見え隠れするのは深い怒りだ。東京で「売れない芸人」だった那覇市出身の小波津(こはつ)正光さん(37)がシリーズを思いついたきっかけは、04年夏の沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故だった。当時、本土はアテネ五輪に興じていた。「アテネで聖火が燃え上がっていたころ、沖縄ではヘリが燃え上がってた」。思わず口にしたネタが大うけしたという。

一昨年の公演もビデオで見たが、笑ったのは「缶首相」が米軍普天間飛行場の移設先をダーツで決めるネタ。的の大半は名護市「辺野古」と書かれ、「県外」の幅はとても狭い。沖縄県民が「けんがい、けんがい」と手拍子で応援するが、命中しない。

怒りを笑いで包む。沖縄の知恵とたくましさを見た思いがした。
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さっそく「お笑い米軍基地」のブログを拝見しましたら、そこにはあの「オスプレイ」が新ネタとして登場するらしく・・

説明では「今回舞台で使用する目玉小道具のオスプレイです。「お笑い米軍基地」舞台専属のセット職人・よっちゃんに今回も依頼しました。渾身の作品です。職人曰く、「これは墜落しないよ。俺の目の黒いうちは絶対墜落させない」。こう言っておりますが、コントをやる芸人達は本番中、墜落しないか心配しております。」とのこと・・早く基地がなくなり、ネタ切れする日が来ることを!

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この「お笑い米軍基地」とは関係ありませんが、圧制下のソ連でアネクドートと呼ばれる風刺小話が流行していたことを思い出しました。ひとつだけ紹介します。

赤の広場で、酔っ払いが、「ブレジネフはバカだ!」と叫んでいた。すぐにKGBがやって来て、酔っ払いを逮捕し、懲役22年を言い渡した。国家侮辱罪で2年、国家機密漏洩罪で20年・・

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