2012年6月30日土曜日

53年前、小学校に米軍機が墜ちた


今から53年前の1959年6月30日にアメリカ占領下の沖縄の石川市(現・うるま市)でアメリカ空軍機が引き起こした墜落事故は、今またオスプレイの恐怖として甦ろうとしている。

(事故直後の宮森小学校の惨状)
1959年6月30日午前10時40分頃に、アメリカ空軍のノースアメリカンF100Dジェット戦闘機が操縦不能となり、パイロットは空中でパラシュート脱出し無事だったが、機体は民家35棟をなぎ倒した後、石川市にある宮森小学校(現うるま市立宮森小学校)のトタン屋根校舎に衝突、さらに隣のコンクリート校舎を直撃し、炎上した。

事故直後から軍警消の各部隊が事故現場に急行し救助活動に当たった。 被害者の治療のために沖縄本島中部在住医師のほとんどが駆けつけた。

事故による火災は1時間後に鎮火したが、 死者17人(小学生11人、一般住民6人)、 重軽傷者210人、 校舎3棟を始め民家27棟、公民館1棟が全焼、 校舎2棟と民家8棟が半焼する大惨事となった。

事故当時、学校には児童・教職員ら約1000人がいた。 当時は2時間目終了後のミルク給食の時間で、ほぼ全児童が校舎内にいた。 特に直撃を受けた2年生の教室の被害が最も大きく、 火だるまになった子供達は水飲み場まで走り、 そのまま次々と息絶えたと伝えられている。

2012年6月16日土曜日

東電の「想定外」と、詩人の観察力


「遅い」と叱られそうですが、心底びっくりしました。今朝の毎日新聞で知ったのですが、福島県南相馬市在住の詩人若松丈太郎さん(75)が1994年に発表した『神隠しされた街』と題する詩です。18年前に3.11を「予言」しています。

神隠しされた街   若松丈太郎


四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた
サッカーゲームが終わって競技場から立ち去ったのではない
人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ
ラジオで避難警報があって
「三日分の食料を準備してください」
多くの人は三日たてば帰れると思って
ちいさな手提げ袋をもって
なかには仔猫だけを抱いた老婆も
入院加療中の病人も
千百台のバスに乗って
四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた
鬼ごっこする子どもたちの歓声が
隣人との垣根ごしのあいさつが
郵便配達夫の自転車のベル音が
ボルシチを煮るにおいが
家々の窓の夜のあかりが
人びとの暮らしが
地図のうえからプリピャチ市が消えた
チェルノブイリ事故発生四十時間後のことである
千百台のバスに乗って
プリピャチ市民が二時間のあいだにちりぢりに
近隣三村あわせて四万九千人が消えた
四万九千人といえば
私の住む原町市の人口にひとしい
さらに
原子力発電所中心半径三〇㎞ゾーンは危険地帯とされ
十一日目の五月六日から三日のあいだに九万二千人が
あわせて約十五万人
人びとは一〇〇㎞や一五〇㎞先の農村にちりぢりに消えた
半径三〇㎞ゾーンといえば
東京電力福島原子力発電所を中心に据えると
双葉町 大熊町
富岡町 楢葉町
浪江町 広野町
川内村 都路村 葛尾村
小高町 いわき市北部
そして私の住む原町市がふくまれる
こちらもあわせて約十五万人
私たちが消えるべき先はどこか
私たちはどこに姿を消せばいいのか
事故六年のちに避難命令が出た村さえもある
事故八年のちの旧プリピャチ市に
私たちは入った
亀裂がはいったペーヴメントの
亀裂をひろげて雑草がたけだけしい
ツバメが飛んでいる
ハトが胸をふくらませている
チョウが草花に羽をやすめている
ハエがおちつきなく動いている
蚊柱が回転している
街路樹の葉が風に身をゆだねている
それなのに
人声のしない都市
人の歩いていない都市
四万五千の人びとがかくれんぼしている都市
鬼の私は捜しまわる
幼稚園のホールに投げ捨てられた玩具
台所のこんろにかけられたシチュー鍋
オフィスの机上のひろげたままの書類
ついさっきまで人がいた気配はどこにもあるのに
日がもう暮れる
鬼の私はとほうに暮れる
友だちがみんな神隠しにあってしまって
私は広場にひとり立ちつくす
デパートもホテルも
文化会館も学校も
集合住宅も
崩れはじめている
すべてはほろびへと向かう
人びとのいのちと
人びとがつくった都市と
ほろびをきそいあう
ストロンチウム九〇 半減期   二七.七年
セシウム一三七   半減期      三〇年
プルトニウム二三九 半減期 二四四〇〇年
セシウムの放射線量が八分の一に減るまでに九十年
致死量八倍のセシウムは九十年後も生きものを殺しつづける
人は百年後のことに自分の手を下せないということであれば
人がプルトニウムを扱うのは不遜というべきか
捨てられた幼稚園の広場を歩く
雑草に踏み入れる
雑草に付着していた核種が舞いあがったにちがいない
肺は核種のまじった空気をとりこんだにちがいない
神隠しの街は地上にいっそうふえるにちがいない
私たちの神隠しはきょうかもしれない
うしろで子どもの声がした気がする
ふりむいてもだれもいない
なにかが背筋をぞくっと襲う
広場にひとり立ちつくす

連詩「かなしみの土地」より

若松さんは50年前から福島県南相馬市(旧原町市)に住んでいて、高校の国語教師でした。自宅は地震の被害は少なかったのですが、原発事故で1ヶ月以上、福島市に避難していました。1971年に福島第一原発が完成する前から、若松さんは地元紙や詩人会の会報などで、原発の危険性について訴える文章を発表していました。「広島、長崎の原爆のことが頭にあったから、これは怪しいのではないか、事故が起きたら大きな被害をもたらすという思いがあったからだ」と。94年には、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故を見学する福島県民調査団に参加して、ウクライナを訪問されました。事故を起こした原子炉を見学して、コンクリートで覆った「石棺」の側まで行った時、放射線量計の針が振り切れたので、「自分の住む街と重ね合わせてショックを受けた」と。そして帰国後に発表したのが『神隠しされた街』です。

若松さんが、我々とは違う何か超能力のようなものを持っているとするのは間違いです。若松さんは「私は予言者ではまったくない。ただただ観察して、現実を読み解こうとしただけのこと」と説明しています。つまり、誰でも「観察し、現実を読み解き」さえすれば「予知可能」であったし、そういう幾多の現実が、18年前の福島第一原発ですでに無数に転がっていたということではないでしょうか?

問題は、それを「ありのまま」に見ようとしたのか?それとも眼をつぶってしまったのか?東京電力は、あちこちでガタが来て蒸気や悲鳴を上げる配管を、湯水のように湧き出す利権と勘違いしたのでしょうか?それとも、差し迫る事故の恐怖を「安全」の念仏ボルテージを上げることで目をつぶろうとしたのでしょうか?東京電力が未だに言い訳している「想定外」とは、「想定できなかった」ではなく「想定したくなかった」、すなわち「直視できない現実」が18年前に、すでに胸元まで迫っていたのだということを、若松さんはみごとに証明してくれました。

「安全神話」・・原発の次はオスプレイか?


アメリカが日本に持ち込んでくる物には、ろくな物がない。その最たる物が原発で、あれほどの被害を日本にもたらしておきながら、アメリカはいまだに製造者・導入者としての責任を一切果たそうとしていない。そして今また、名だたる欠陥輸送機「オスプレイ」を、あろうことか「世界一危険な空港」を呼ばれている普天間基地に配備しようとしている。数日前も、事故を起こしておきながら、まだ「安全」とシラを切るあたりは原発の二番煎じだが、犠牲になるのは日本人であり、黙っているわけにはいかない。

■オスプレイの別名は「未亡人製造機」


アメリカ軍は、よほどこの種の兵器が欲しかったのだろう。ヘリコプターの垂直離着陸と固定翼機の速度・航続距離を合わせ持った機体である。オスプレイの起源は、第二次大戦直後の1940年代にさかのぼり、半世紀以上も研究、開発を重ね、何度かの事故を起こしては、生産中止となるが、また甦って2005年にやっとのことで配備にこぎ着けている。

オスプレイは、表面化している事故だけでも8回あり、試作段階から「未亡人製造機」と呼ばれていた。なんとか「名誉挽回」とばかりに、イラクで上院議員時代のオバマを搭乗させて芝居を打ったりしたが、その後も事故はいっこうに収まらない。当初、海兵隊要人輸送ヘリコプターの老朽化に伴い、後継機としてオスプレイが候補にも挙がったが、さすがに海兵隊幹部も自分たちの命が惜しくなったのか、はやばやと候補から除外してしまった経緯もある。逆に言えば、兵士や市民の命など二の次というわけである。このあたりは、原発を事故の影響が少ない過疎地にわざわざ持ってくるあたりに似ている。

そもそも飛行中に、垂直運動と水平運動を切り替えること自体、かなりの無理があることは素人目にも明らかなのだが、このオスプレイの場合は2つのエンジンが機体重心から離れているので、さらに安定性を欠いた機体となっており、機体そのものより構想・設計段階の欠陥と言わざるをえない。では、アメリカはなぜ、このような欠陥機を「安全」と決めつけ、普天間や岩国への配備をごり押ししようとするのか?

■「エアシーバトル」


砲弾の飛び交う前線に兵力を投下するオスプレイ(想像図)
それは、最近の報道でもあったように、全世界に展開しているアメリカ軍の6割をアジア方面に移動させ、「エア・シーバトル(空海戦略)」と呼ばれる拠点となる日本やフィリピン、オーストラリアなどの島々の基地と空母機動部隊によって力尽くで中国を封じ込めようとする戦略に基づいている。ここでは、過去の冷戦時代に、地続きのヨーロッパで採用されていた「エアランドバトル(空陸戦略)」と違って、太平洋上の海を隔てた拠点間を結ぶ兵力を如何に早く大量に運べるかが分かれ目となる。

そこで、遅い船舶輸送ではもなく、砲弾の飛び交う前線でも離着陸できる航続距離と速度を兼ね備えた輸送機=オスプレイが決定的な意味をもつ。そのことは、米軍が全世界に配備しようとしている458機のオスプレイの内訳をみれば一目瞭然である。海兵隊用が360機で約8割、特殊作戦軍向けの50機を合わせれば、実に9割近くが「即応戦力」用となっており、オスプレイが「エアシーバトル」の中核である海兵隊にとって、必要不可欠な兵器であることは間違いない。

■「対中封じ込め」で漁夫の利狙うアメリカ


アメリカ軍が、オスプレイを岩国や普天間の基地に配備する事自体、すでに日本を対中国の前線基地として利用することを宣言したに等しい。それだけでなく、自衛隊も司令室を在日米軍の横田基地内に移動させたり、「北朝鮮ミサイル騒ぎ」で兵力を沖縄方面に移動したり、民間の空港や港を米軍が自由に出入りできるようにするといったことが着々と行われている。

そうして、中国の鼻先に兵力を並べては、尖閣諸島問題のようにあちこちに火種を作っておいて、アジア人同士を戦わせ、アメリカ自身はといえばハワイや米本土あたりでじっくり「高みの見物」を決め込もうという魂胆なのである。二度の世界大戦でも、そうして漁夫の利を得てのし上がったアメリカに、三度も騙されて血を流すことはない。

2012年6月3日日曜日

タガが外れた東京電力


史上最悪の原発事故を起こして、数万の福島県民を叩き出した東京電力・・原発全停止まで行き着いて少しは懲りたのかと思ってたら・・大飯原発の再稼働で、また息を吹き返し、昔のようにタガが外れてしまったようだ。

今日も、何食わぬ顔で高速道路を核燃料輸送車が走っている
最近、東京電力は、東海村から柏崎刈羽原発に向けて、トラック輸送された核燃料輸送容器のフタが封印されていなかったことを、ぬけぬけと保安院に報告しているが、何万もの乗用車が走行する一般高速道路に放射性物質をバラ捲き汚染する行為に等しい。

福島原発の事故が明らかにしたように、全国の原発は、稼働開始から数十年を経過し、構造物の疲弊が日々安全性を低下させているが、それに負けず劣らず危険なのは、決められた作業手順があちこちで「手抜き」になっていることである。

その油断を裏付けているのが「原発安全神話」である。危険を前提に作業しないのだから、「これくらいなら」がどこまでも広がっていくのは当然だろう!いまからでも遅くはない!政府・電力会社は「原発危険宣言」を発して、「原発は安全」という国家的ペテンを振りまく言動を法律で取り締まれ!さもなければ第2の「3.11」が、駆け足で近づいてくるだろう。

(以下は、毎日新聞 2012年06月01日の記事より)

 東京電力は1日、柏崎刈羽原発(新潟県)へ茨城県東海村の核燃料メーカーから陸上輸送された核燃料輸送容器の一部に、封印がされていなかったことを見つけ、経済産業省原子力安全・保安院へ報告した。容器のふたは閉まっており、中の核燃料が取り出された形跡はないという。
 東電によると、核燃料は定期検査中の1号機用。陸上輸送された容器は計116箱(1基当たり燃料集合体2本収納)あり、30日に東海村の「原子燃料工業」を出発してその日に到着。1日午前に、東電作業員が1号機内で点検したところ、そのうちの1箱に封印がなかったという。封印には金属のワイヤが用いられており、ふたが開かない構造になっていた。原子炉等規制法は、運搬する核燃料への封印を義務付けており、保安院は、東電と原燃工に原因調査を指示した。【中西拓司】

なめたらアカンで!大阪のオバチャンを


どうも、大阪の主婦は「節電意識が薄い」らしい・・・

アジア太平洋研究所(大阪市、APIR)とやらが実施した専業主婦を対象にした節電アンケートによると、今夏も積極的に取り組むと回答した割合が、大阪の主婦全体の78・8%で、昨年10月調査から7・3ポイント下落したらしい。この一点だけをつかまえて、「節電=善」を振りかざしては「切迫感の薄さが浮き彫り」と、「大阪のオバチャン」に悪罵を投げ掛けている。これには、開いた口がふさがらんと言うか・・

日頃「大阪のオバチャン」は避けて通る(笑)私でも、ここは断固応援して拍手送るで~!「振り込め詐欺」に引っ掛からない率・全国一の「大阪のオバチャン」や!胡散臭い奴は蹴飛ばすんや!なにが「節電」やねん!電力会社はええかげんにせい!

そもそも「節電騒ぎ」のきっかけとなった、福島原発事故、それにつづく計画停電こそ、政府・東電の「切迫感の薄さ」が原因ではなかったのか?

関西電力に限ってみても、大飯原発再稼働では、1年前から分かっていた「原発全停止」を直前になって大慌てして、居丈高に「節電15%」を宣伝して回ったが、しょせん泥縄!政府・電力会社の「切迫感の薄さ」を大阪のオバチャンが「切迫感を持って」冷静に見て取って、「その手には乗らぬ」と腹を決めていると言うことではないのか?

それにしても、許せないのは橋下大阪市長。「原発反対」と言ったと思えば、大飯原発再稼働では「事実上の容認」へ転換?貴方の好きな「民間」でこんなエグい朝令暮改やったら、とっくに社長解任でっせ~!もっと切迫感をもって発言を!