アメリカが日本に持ち込んでくる物には、ろくな物がない。その最たる物が原発で、あれほどの被害を日本にもたらしておきながら、アメリカはいまだに製造者・導入者としての責任を一切果たそうとしていない。そして今また、名だたる欠陥輸送機「オスプレイ」を、あろうことか「世界一危険な空港」を呼ばれている普天間基地に配備しようとしている。数日前も、事故を起こしておきながら、まだ「安全」とシラを切るあたりは原発の二番煎じだが、犠牲になるのは日本人であり、黙っているわけにはいかない。
■オスプレイの別名は「未亡人製造機」
オスプレイは、表面化している事故だけでも8回あり、試作段階から「未亡人製造機」と呼ばれていた。なんとか「名誉挽回」とばかりに、イラクで上院議員時代のオバマを搭乗させて芝居を打ったりしたが、その後も事故はいっこうに収まらない。当初、海兵隊要人輸送ヘリコプターの老朽化に伴い、後継機としてオスプレイが候補にも挙がったが、さすがに海兵隊幹部も自分たちの命が惜しくなったのか、はやばやと候補から除外してしまった経緯もある。逆に言えば、兵士や市民の命など二の次というわけである。このあたりは、原発を事故の影響が少ない過疎地にわざわざ持ってくるあたりに似ている。
そもそも飛行中に、垂直運動と水平運動を切り替えること自体、かなりの無理があることは素人目にも明らかなのだが、このオスプレイの場合は2つのエンジンが機体重心から離れているので、さらに安定性を欠いた機体となっており、機体そのものより構想・設計段階の欠陥と言わざるをえない。では、アメリカはなぜ、このような欠陥機を「安全」と決めつけ、普天間や岩国への配備をごり押ししようとするのか?
■「エアシーバトル」
砲弾の飛び交う前線に兵力を投下するオスプレイ(想像図) |
そこで、遅い船舶輸送ではもなく、砲弾の飛び交う前線でも離着陸できる航続距離と速度を兼ね備えた輸送機=オスプレイが決定的な意味をもつ。そのことは、米軍が全世界に配備しようとしている458機のオスプレイの内訳をみれば一目瞭然である。海兵隊用が360機で約8割、特殊作戦軍向けの50機を合わせれば、実に9割近くが「即応戦力」用となっており、オスプレイが「エアシーバトル」の中核である海兵隊にとって、必要不可欠な兵器であることは間違いない。
■「対中封じ込め」で漁夫の利狙うアメリカ
そうして、中国の鼻先に兵力を並べては、尖閣諸島問題のようにあちこちに火種を作っておいて、アジア人同士を戦わせ、アメリカ自身はといえばハワイや米本土あたりでじっくり「高みの見物」を決め込もうという魂胆なのである。二度の世界大戦でも、そうして漁夫の利を得てのし上がったアメリカに、三度も騙されて血を流すことはない。
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